恋の魔法と甘い罠
決別
◇◇◇
「はぁー」
無意識に溜め息が漏れる。
いつもなら帰る時間が来るのを心待ちにするのに、今日はそのときがやって来てほしくないと思ってしまう。
「はぁー」
今日何度目かの溜め息を漏らすと、
「玲夢ちゃん、どうしたの? 今日は溜め息ばかりついてるね」
後ろを通りかかった紗羽さんが声をかけてきた。
「ごめんなさい。耳障りですよね」
小さく頭を下げながらそう言ったあたしに、「そんなことないよ」なんて言ってくれる紗羽さんはほんとに優しい。
そして微笑みながらあたしの顔を覗き込んできて、
「今日もランチに行く?」
と誘ってくれた。
何も考えたくないあたしは「はい」と即答していた。
いつもの定食屋さんに入って紗羽さんと二人で食事をつついていたけれど、あたしが何も言わないからか、紗羽さんからは何も訊いてこなくて。
それがまた心地いい。
きっと前にあたしが『今度ゆっくり話を聞いてほしいです』と言ったから、あたしから話すのを待っていてくれるんだと思う。
その気持ちが凄くありがたかった。
「はぁー」
無意識に溜め息が漏れる。
いつもなら帰る時間が来るのを心待ちにするのに、今日はそのときがやって来てほしくないと思ってしまう。
「はぁー」
今日何度目かの溜め息を漏らすと、
「玲夢ちゃん、どうしたの? 今日は溜め息ばかりついてるね」
後ろを通りかかった紗羽さんが声をかけてきた。
「ごめんなさい。耳障りですよね」
小さく頭を下げながらそう言ったあたしに、「そんなことないよ」なんて言ってくれる紗羽さんはほんとに優しい。
そして微笑みながらあたしの顔を覗き込んできて、
「今日もランチに行く?」
と誘ってくれた。
何も考えたくないあたしは「はい」と即答していた。
いつもの定食屋さんに入って紗羽さんと二人で食事をつついていたけれど、あたしが何も言わないからか、紗羽さんからは何も訊いてこなくて。
それがまた心地いい。
きっと前にあたしが『今度ゆっくり話を聞いてほしいです』と言ったから、あたしから話すのを待っていてくれるんだと思う。
その気持ちが凄くありがたかった。