恋の魔法と甘い罠
でもその願いも虚しく、目の前にある光景は現実で。


慎也さんが彼女の腰に手を添えて、そのまま身を屈めてそっとキスをした。


何、これ……


こんな建てられたばかりの新築の家に住んでいて、庭も綺麗に手入れされていて……


妊婦の彼女がいる。


それに……最初に見た瞬間、後ろ姿だったけれど彼女の服装に違和感を感じた。


どう考えても母親世代の人が着るものではなかった。


その時、もしかしたら彼女はお母さんなんかじゃなくて……という思いも沸き上がってきたけれど、それを認めたくなくて気付かないふりをした。
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