恋の魔法と甘い罠
出会い
どれだけ歩いていたのか、辺りが薄暗いことに気づき、周りを見回してみる。


あれ? ……ここはどこ?


元々知らない町にいて、宛もなく歩いていたからか、自分がどこにいるのか全くわからなくなってしまった。


時間を確認すると、既に6時を指している。


こんな時間に全く知らない場所にいることに、だんだん不安になってきた。


誰かに電話をして、来てもらおうか。


誰か……


これまでだったら、来てくれるかどうかは別として、迷わず慎也さんに連絡していた。


でも今日は、あんな場面を目の当たりにしておきながら、そんなことはできない。


不安な気持ちを抱えながらも、とりあえず交番とか、バス停とか、駅とか……頼りになるものがないのかなと、ぶらぶら歩いていると、とても綺麗な看板が目に飛び込んできた。
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