恋の魔法と甘い罠
悠亜さんには『酔いを醒ましてくる』と言ったけれど、あたしは今酔っているわけじゃなくて。
どこか憂い気な表情をして会場を出ていった和泉さんのことが気になって追いかけてしまったんだ。
そのまま和泉さんの隣に立って、前にある柵に手をかける。
「紗羽さん、綺麗でしたね」
「ん」
酷なことを言っているかなとは思ったけれど、普段通り接することが一番だと思ってそう声をかけた。
だってあたしが失恋したときも和泉さんはそう接してくれたから。
「今度こそ……」
「えっ?」
よく聞こえなくて訊き返すと、和泉さんは小さく息を吐いてから、
「今度こそ、吹っ切れそうな気がする」
空を見上げながらそう呟いた。
隣に視線を向けると、その横顔はとても清々しい表情をしていて。
長かった恋にピリオドを打てそうなんだなぁと思うと、あたしまでわずかに想いが残っている今の恋を終えられそうな気がして、頬が緩んだ。
どこか憂い気な表情をして会場を出ていった和泉さんのことが気になって追いかけてしまったんだ。
そのまま和泉さんの隣に立って、前にある柵に手をかける。
「紗羽さん、綺麗でしたね」
「ん」
酷なことを言っているかなとは思ったけれど、普段通り接することが一番だと思ってそう声をかけた。
だってあたしが失恋したときも和泉さんはそう接してくれたから。
「今度こそ……」
「えっ?」
よく聞こえなくて訊き返すと、和泉さんは小さく息を吐いてから、
「今度こそ、吹っ切れそうな気がする」
空を見上げながらそう呟いた。
隣に視線を向けると、その横顔はとても清々しい表情をしていて。
長かった恋にピリオドを打てそうなんだなぁと思うと、あたしまでわずかに想いが残っている今の恋を終えられそうな気がして、頬が緩んだ。