恋の魔法と甘い罠
紗羽さんって普段はゆったりまったりしていることが多いからか、なにも気づいていなさそうなのに、こういうことになると急に鋭くなると思う。



「ふふふ、図星なんだ?」


「……」


「晴希って見た目はちょっと遊んでいそうに見えるけれど、ほんとはすっごく真面目なんだよ」



紗羽さんは口許に笑みを浮かべながら和泉さんのことを語っているけれど、あたしもそれは知っている。


実際和泉さんと話したりする前までは、もっと適当な人だとは思っていたけれど。



「だからね、晴希は玲夢ちゃんのことをちゃんと見ていると思うよ」


「え?」



和泉さんはいい人だ、という話をするとばかり思っていたのに、突然あたしの名前が出てきて吃驚した。


しかも、あたしのことを見ている、って言った?
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