恋の魔法と甘い罠
もう少し浸かっていたかったのになぁ……なんて思いながら、お部屋までの道のりを歩いていく。


途中で自動販売機を見つけて足を止めた。


ミルクティーを買ってそれを頬にあてる。



「気持ちいー」



凄く冷たいはずなのに頬が熱くなっているからか凄く気持ちがいい。


このまま頬にあてていたい気もするけれど、それよりも喉を潤したい気持ちの方が上回ってしまい、プルタブに指をかけて開けた。


そのままごくごくと胃に流し込む。


ほどよい甘さが口の中に広がって自然と頬が緩んだとき、ふと楽しそうな声が耳に届いてきた。


そしてその場所へ視線を向ける。



「ねえ、いいでしょ?」


「あたしたちの部屋で一緒に飲みましょうよ」



そこにいたのは女の子たちに囲まれた和泉さんで。


隣にいる子なんて、和泉さんの腕にしがみつくようにしてくっついていた。
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