恋の魔法と甘い罠

さっき邪魔が入って訊けなかったけれど、和泉さんが言った言葉の意味がわからなくて気になっていたんだ。



「あの……」



ちらりと視線を上げて声をかける。



「ん？」


「さっき……何が面白くなかったんですか？」


「は？」



突然何の前触れもなく訊いたことに、和泉さんは意味がわからないのか眉を寄せている。


さっき女の人たちの気配を感じる前に話していたとき、和泉さんがぽつりと呟いた言葉。



「『面白くねーの』って、さっき和泉さんが言っていたじゃないですか」



あたしのこの言葉に「え？」と表情が固まってしまった和泉さん。



「和泉さん？」



と顔を覗き込む。


そんなあたしに視線をゆらゆらと揺らしながら、



「それ、訊いちゃう？」



と苦笑混じりにそう言った和泉さんは明らかに困った顔をしていて。


訊いたらダメなことだったの？