恋の魔法と甘い罠
けれど訊きたいものは訊きたい。


だから和泉さんが口を開くのを待っていると、あたしがじっと見ていることに気づいたのか、ちらりと視線を寄越してきてぼそぼそと口を開く。



「あー、まあ……あれだ」



あれ、ってなに?



「そのうちわかる」



けれどそれはとても曖昧なもので。


そのうちっていつ?


それを教えてくれるのかなと、その先の言葉をずっと待っていたけれど、待てど暮らせどなにも出てこなくて。


えぇっ!? 教えてくれないのっ!?


凄く気になるのに!


そんなモヤモヤした気持ちを抱えているあたしをよそに、



「で? 玲夢はどうなんだ?」



と、話題を変えてきた。


しかも『どうなんだ?』ってなにが?
< 267 / 357 >

この作品をシェア

pagetop