恋の魔法と甘い罠
そう思ってはいるものの、それを口に出すと自分の気持ちを言ってしまうことになるから何も言えなくて。


けれど、ちゃんと確かめたいと思っているあたしもいる。



「……和泉さんは……何とも想っていない子にも、こういうこと、しちゃうんですか?」



あたしがそう訊くと、和泉さんはそれを否定するように慌てて口を開く。



「なわけねーだろ!? 俺だって、何とも想ってねーヤツとこんなことしねーよ!」



そう言われて、よかった……とほっと息を吐いたけれど……


ちょっと待って!



『何とも想ってねーやつとこんなことしねーよ!』



今和泉さんはそう言ったよね?


え? それって、どういうこと?


あたしのことは何とも想ってないわけじゃないってこと?
< 286 / 357 >

この作品をシェア

pagetop