恋の魔法と甘い罠
時計の針はまだ5時を指したばかりだからか、外へ出るとまだ人も車もほとんどいない静かな空間が広がっていた。


自分が今どこにいるのかよくわからなかったからタクシーを止めてそれに乗り込んだ。


でも意外に近い場所だったらしく、10分足らずで自分のアパートへ到着した。


部屋に入ってからは、とにかく自己嫌悪に陥った。


いくら失恋したからって、いくら酔っていたからって……


話したこともない人と寝ちゃうなんて。


だけど今日もこれから会社に行かなければならない。


いつまでも落ち込んでいる場合ではない。


とにかくシャワーを浴びようと、重い腰をあげた。
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