恋の魔法と甘い罠
「これってさ……」
何か言いたげに口を開いた和泉さんを遮るように
「ありがとうございます!」
慌ててそう言って、それを奪うように和泉さんの手から抜き取った。
和泉さんは毎日慎也さんと会っているから、きっとこの腕時計が誰のものか気付いているんだ。
だって、この腕時計は何かの記念品で貰ったものだから、店頭では並んでいないもの……と言っていたから。
そして普段は肌身離さず大切にしているもの。
そんなものをあたしが持っているなんて、慎也さんとあたしの関係に気付かれたに違いない。
そう思うと、早くこの場を去りたかった。
だけど、あたしの手首はいまだに掴まれていて。
振り払おうとしても離してもらえない。
どうしよう……。
そう思っていると、タイミングよくバッグの中で携帯が震えた。
何か言いたげに口を開いた和泉さんを遮るように
「ありがとうございます!」
慌ててそう言って、それを奪うように和泉さんの手から抜き取った。
和泉さんは毎日慎也さんと会っているから、きっとこの腕時計が誰のものか気付いているんだ。
だって、この腕時計は何かの記念品で貰ったものだから、店頭では並んでいないもの……と言っていたから。
そして普段は肌身離さず大切にしているもの。
そんなものをあたしが持っているなんて、慎也さんとあたしの関係に気付かれたに違いない。
そう思うと、早くこの場を去りたかった。
だけど、あたしの手首はいまだに掴まれていて。
振り払おうとしても離してもらえない。
どうしよう……。
そう思っていると、タイミングよくバッグの中で携帯が震えた。