恋の魔法と甘い罠
ほんとなら“何もない”と言って、またビールを口に運ぶところだけれど、心のどこかで相手をしてほしいという思いも存在していて。
だからつい気になっていたことを口に出していた。
「和泉さんは……どうしてあたしの名前を知っているんですか?」
「えっ」
あたしの質問に小さくそう言いながらこっちを向いた和泉さん。
「名前?」
「はい……今まで話したこともなかったのに、苗字じゃなくて、いきなり名前で呼んだから」
「ああ」
和泉さんはそう言ってビールをぐいっと飲んだあと、また口を開いた。
「俺、苗字知らねぇし」
「えっ」
「おまえの苗字知らねぇの」
和泉さんがそう言うのを聞いて、確かに今まで話したことがなくても、苗字を知らなかったらいきなりでも名前で呼ぶのかもしれない、と思ったけれど……
でも、どうして名前は知っているの?
訳がわからなくて、そのまま和泉さんの横顔をじっと見ていると、
「何? 他にも訊きたいことあんの?」
そう言って和泉さんはまたあたしの方へと視線を向けてきた。
その言葉に小さく頷いてから
「どうして名前は知っているんですか? もしかして……あたし、言いました?」
だからつい気になっていたことを口に出していた。
「和泉さんは……どうしてあたしの名前を知っているんですか?」
「えっ」
あたしの質問に小さくそう言いながらこっちを向いた和泉さん。
「名前?」
「はい……今まで話したこともなかったのに、苗字じゃなくて、いきなり名前で呼んだから」
「ああ」
和泉さんはそう言ってビールをぐいっと飲んだあと、また口を開いた。
「俺、苗字知らねぇし」
「えっ」
「おまえの苗字知らねぇの」
和泉さんがそう言うのを聞いて、確かに今まで話したことがなくても、苗字を知らなかったらいきなりでも名前で呼ぶのかもしれない、と思ったけれど……
でも、どうして名前は知っているの?
訳がわからなくて、そのまま和泉さんの横顔をじっと見ていると、
「何? 他にも訊きたいことあんの?」
そう言って和泉さんはまたあたしの方へと視線を向けてきた。
その言葉に小さく頷いてから
「どうして名前は知っているんですか? もしかして……あたし、言いました?」