Love...Twins

文化祭

文化祭シーズンになり、あたし達の高校、香坂高校でも文化祭の準備が始まっていた。
今はクラスで何をやるか案を出しあっている最中だ。

「劇がいぃ人ー」

学年委員が呼びかけると、手を挙げたのは三人ほどしか居なかった。
あたしは模擬店志望で、皆も楽な方に流れたみたいだった。

「じゃあ、5組は模擬店やりまーす。」

そうと決まれば、1番に張り切るのは決まって空くん。
ガタンと音を立てて立ち上がった。

「メイドカフェ！メイドカフェやろーぜ」

皆は一気に盛り上がり始めた。

「え？なになに、何やることになった？」

皆が騒ぎだして、愛衣恋も眠そうな目を擦って起きてきた。

「模擬店だよ。空くんがメイドカフェにしようって。」
「へーいいじゃん×2」

「じゃあ、メイドカフェってことでいいですか？」

学年委員がそう聞くと皆が「「いーでーす」」と口々に言い、あたし達のクラスはメイドカフェに決まった。

「誰がメイド服着るのー？」

すると、机にペターっとなった勇羽が口を開いた。
その瞬間、皆の視線がいっきに勇羽に集まった。
、、、教室がシーンとなる。

「え？俺なんか変なコト言った？」

すると空くんが口を開いた。

「じゃあ、、、勇羽がメイド服着るってのでいいと思う人！！」
「「はーーーい！」」

皆が一斉に手を挙げた。
勇羽のファンはキャーキャー言っていた。

「俺！？、、、じゃあ空も着ろよ。」
「え！？俺？」
「人のこと指名しといて自分は逃げるのかよ」
「、、、しょーがねーな。着るか！」

教室はまた盛り上がり出した。
学年委員は自分の出る幕はもう無いと思ったのか、席に着いてしまった。

「女子は誰が着る？」

そう誰かが言った瞬間、ザッと皆の視線が集まる。

「え！？」

あたしはキョロキョロ周りを見渡したけど、この視線は全部あたしに向いていることに気がついた。