Love...Twins
「別にそんなことないけど、、、」

あたしは何もいえなくなった。

「ま、詳しいことは聞かないけどさ、悩んでんならいつでも言えよ。」

恭ちゃんはあたしの頭をポンポンと優しく撫でる。
そして、自分の自転車をとめて先に家に入って行った。
バタンとドアが閉まると、涙がひとつ頬を伝った。

「、、、、言えないよ」

恋ってもっと楽しくて、甘くて、たまに切なくて、、、
そんなのが恋でしょ？
双子のあたし達の間に、甘くて楽しい時間なんてきっと無い。

どうして勇羽なんか好きになったんだろう。

家の前でただ立ち尽くしていたら、遠くから声がした。
勇羽の声だ。
女の子と話してる勇羽の声。

あたしは急いで涙を吹いて、家に入ろうとした。

「あ、美羽ちゃん。」

後ろからあたしを呼んだのは、亜優ちゃんだった。
今は振り向けない。
泣いたのがバレバレだ。

「一緒に帰ってきたんだね。勇羽、ちゃんと亜優ちゃん最後まで送りなよー」

あたしはそう言ってすぐうちに入った。

勇羽は亜優ちゃんを送り届けてすぐに帰ってきたみたいだったけど、まともに話さなかった。
< 27 / 46 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop