2years



差出人:降川 千早
――――――――――――――――――
件名:RE:久しぶり
――――――――――――――――――
拝啓、野々宮春疾君へ
お元気にしていますか?

私はどうなんだろうなあ・・・?

うーん、多分向こうで元気にしていると思うよ。

突然だけど用件だけ言うね。
これで最後だから・・・。

4/14にある場所に来てね。
絶対だよ。場所は○○××神社の墓地。

そこで話したいことがるから!
絶対に来ないと末代まで祟るから・・・本気だから!(^v^)

じゃあ、会えることを楽しみに待ってます。

来るまで私ずっと待ってるからね・・・。

――――――――――――――――――

ツッコミどころ満載なメールだったが、最後って何なんだ・・・話したいことって何だよ・・・。

こっちは話したいこともない。だが、いかなきゃあいつは絶対に祟る。

本気で祟ってくる・・・それに行かなきゃいけないような気がするそう思って春疾はこの墓地に来た。


だが、墓地にはあいつがいなかった。

呼びだした本人がいないとはどういうことだよと言いたくなる。

本当、自分勝手でいつも自己中心のいい加減なやつだ。

それでいて、冷静で冷めていて不思議なやつだった。

いつも自分だけ分かったような振りをして何も言わず、最低な奴だった。


春疾にとって千早は出会った女の中で一番最低な女だったと、同時に最高の女だった。


墓地といってもここらへんでは一番でかい墓地だ。

どこであいつ・・・千早は待ってるんだ。

そう思って春疾は辺りを見回し千早を探す。


「ったく・・・当の本人はどこなんだよ・・・」

またもや悪態をつきながら、ため息を吐く。


「もしかして・・・君が野々宮さんかな・・・?」

突然、後ろから男性の声で春疾の名前を呼ばれ、春疾は後ろへと振り返った。

「はい。そ、そうですけど・・・」

春疾は眉をひそめ、男性を見る。









< 2 / 26 >

この作品をシェア

pagetop