2years
もう春疾の言葉は届かない。
残されたものの気持ちにもなってみろと千早に言いたい。
出来ればあの頃の自分たちに戻りたい。
だけど――それは不可能だ。ドラ○もんのタイムマシンでもない限り過去には戻れないことも春疾は分かっていた。2年と言う月日が春疾をそうさせていた。
だったら、せめてここで泣き崩れたかった。
大人とか子供とかそう言ったモラル関係なしに泣き叫びたかった。
涙が出そうになる。だけど涙は出ず、だけどどん底のように突き落とされ、そこから這い上がってこれない。
そんな状態の中、春疾に告げるように春風が髪を掠め撫で、『泣いてもいいんだよ』と言ったように聞こえた。
そして、何か糸が切れたように目から涙が頬を伝うように流れ出し、唇を噛み締め声を押し殺して春疾は泣いた。
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差出人:降川千早
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件名:Re:久しぶり
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拝啓、守山夏名様へ
お元気にしていますか?
私はどうなんだろうなあ・・・?
うーん、多分向こうで元気にしていると思うよ。
突然だけど用件だけ言うね。
これで最後だから・・・。
4/14にある場所に来てね。
絶対だよ。場所は○○××神社の墓地。
そこで話したいことがるから!
絶対に来ないと末代まで祟るから・・・本気だから!(^v^)
じゃあ、会えることを楽しみに待ってます。
来るまで私ずっと待ってるからね・・・。
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という、何とも身勝手でツッコミどころ満載なメールが1通、先週届いた。
降川千早というとても懐かしい――かつての大親友からのメールだ。
相変わらず…わけわかんなくてどこまでも自分勝手なのだろうと悪態をつく。
今更、何を話したいことがあるのだろうか。こっちには話したいことなんて何もない。
半年という月日は短いけどあまりにも長くて、今更謝れてももう元に戻りたくても戻れない。