近いのに遠い存在
「こっち。」


「ここでちょっと待ってて」

「あ、うん。」



コンコン

「はーい。

誰??」


「・・・俺。」


バンッ


「尚希!?

どうしたの!?」


「いや、海に来てたんだけど、一緒に来たやつがちょっと怪我してさ。
だからちょっと寄らしてもらった」


「えっ!
誰!?

見たい!!」


「ちょ、待てよ!」


あいつ勝手に・・・



「咲良!?」


「ちょーー可愛い」



「ま、前田くん!

こ、このきれいな人誰!?」



「はぁ、咲良から離れろよ。
姉貴。」


「お、お姉さん!?」


「きれいな人だって!

うれしい♪」


「咲良、大丈夫か?

姉貴出ていけよ。


咲良の手当てするから」


「はいはい。

じゃあまたね♪」


「ごめんな、

うるさくて」


「ううん。
綺麗で面白い人だね」


「それより、手だして。」


「あ、うん。」


「痛いかもしれねぇけど我慢してな」


「うん。」


咲良は顔をちょっと歪ました

「大丈夫か?」


「だ、大丈夫」


嘘つけ、目に涙いっぱいためてんじゃんか。


「終わったぞ」


「あ、ありがとう」


『・・・・・』


咲良、聞かねぇのか??


「咲良、この家のことなんにも聞かねぇのか?」


「えっ、だってさっきの人がお姉さんってことはここはお姉さん家でしょ?」


「まぁ、そうだけど・・・」


「それに、あんまりこのこと話したくないんでしょ?」



俺は思わず目を見開いた。
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