ぬくふわ -テディベアに恋をした-
「よかった、菜乃が楽しんでくれて」

「え?」

笑い疲れても飽きずにミーアキャットを見ている私たち。

今ごろ怜斗くんは一人で大興奮中かな。


「僕たちは菜乃に愛をもらいに来たけど、愛をあげるためにも来たから」

「陸くん……」


ミーアキャットを見ながら言う陸くんの横顔は、笑いつつも真剣だった。


「誰よりもずっと一緒にいたからさ……」

「うん」

「僕にとって菜乃が一番大事」

ごく自然に、背中に手を回される。

陸くんは真剣な表情だけど、私は思わず赤面してしまった。

だって、「一番大事」って言葉と同時に手を回されて。

普通に考えたら、これはカップルのすることだもん……。



ミーアキャットのおかげで、私は陸くんに顔を見られずすんだから、よかった……。
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