ぬくふわ -テディベアに恋をした-
怜斗くんがずんずん歩いて行ってしまう。

「ま、待って怜斗くん」

「オレ帰るから。……菜乃は陸といろよ」


冷たくそういい放つ怜斗くん。

どうしよう……。

私はどっちのことも好きなのに。


「じゃ、次は怜斗と菜乃、ニ人で遊んだら?僕は十分楽しんだし」

「えっ?陸くん、いいの?」

「いいよ、僕はあそこの休憩所で待ってるから」


陸くんは大人だなぁ……。

私たちに微笑むと、スタスタと歩いて行った。

私は心の中で陸くんにお礼を言って、怜斗くんの隣に並んだ。

「よかったね。陸くんに感謝だね」

「別に菜乃と遊んだって楽しくも何ともないけどな」


そう言う怜斗くんの、横顔は、ほんのり赤かった。
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