天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
試合の意思がある以上、審判の龍娘にはどうする事もできない。

「それでは…勝負、はじめッ!」

掛け声と同時に、遂に試合は始まった。

同時に。

「!」

シャラァンッ、という氷の音と共に雪菜の手に白い扇子が出現する。

雪菜の唯一無二の人外の能力、『吹雪』を発生させる事のできる扇子だ。

「ま、舞白先輩、よろしくお願いしますっ」

ぺこっと頭を下げる雪菜。

「よろしくと言われてもねぇ…」

頬に手を当て、困った顔の舞白。

そんな彼女に。

「行きます!」

雪菜は扇子を扇ぐ!

ほんの一振り、軽く扇いだだけの扇子。

だがそのそよ風は。

「っ!」

一瞬にして真冬の雪山の如き凍てつく突風となって、舞白に襲い掛かる!

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