天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
雪菜のその言葉に応えるように。

「っっ!」

舞白は大鎌を手にした。

いつの間に取り出したのか。

雪菜は片時も舞白から視線を外してはいないというのに、気がつくと片手にそれを握り締めていた。

死神の代名詞。

命と魂を刈り取る、冥界の使者の得物…。

「丹下君の為というのなら、雪菜ちゃん…尚更私は貴女をここで棄権させなければならないわ」

「どうしてですかっ!」

今にも泣きそうな声で叫ぶ雪菜。

「こはくさんは武人だから、きっと『武人として』の見方しかできていない…そして雪菜ちゃん、貴女も戦闘要員ではないのに『武人として』の見方をしてしまっている…」

舞白は無表情で告げた。

「丹下君が貴女を庇ったのは、脱落させない為ではない…『怪我をさせたくなかったから』に過ぎないわ」

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