天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
予選のあの時。

舞白の鎌の一撃を胸に受けて深手を負っていたにもかかわらず、龍太郎は更に雪菜を庇ってこはくの黄昏を受けた。

確かに結果として雪菜は勝ち残り、トーナメント本戦に進出した。

しかしそれは結果に過ぎない。

龍太郎の目的は、『雪菜に傷を負わせない事』。

龍太郎の性格からして、戦闘要員でもない雪菜に、自分の果たせなかった最強の称号を得る事を代わりに託す筈がない。

『最強の称号を得るなら己の手で』

丹下 龍太郎はそういう男だ。

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