天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「少し大きな力を使わなければなりません…ああ…後で地区長に申請して、この地区一帯の生者の記憶を消してもらわないと…」

これから始まる舞白の行為は、まともな人間が見たならば、そしていつまでも記憶していたならば、必ず精神に異常を来たしてしまう。

死神の業とはそういうもの。

生者には害であり、毒であり、禁忌でしかない。

「小岩井さん、よろしいですね…?」

「……」

雪菜の内に篭もった小岩井さんは無言のまま。

それを肯定と受け取った舞白の大鎌から、禍々しい漆黒の念が迸る。

あんな怨念めいた『気』を纏った刃で斬られれば、肉体を持たぬ霊体でさえも、魂魄を四散させられるであろう、そんな印象を受けた。

< 117 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop