天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「私の自己満足だったのかもしれません」
俯き加減に雪菜は言う。
「龍太郎君の代わりに勝ちたいとか、彼が傷ついた分も戦いたいとか…私は『龍太郎君の為』じゃなくて、『龍太郎君のせい』にして、強い自分を演じていたのかもしれない…そんないい加減な気持ちが、小岩井さんまで巻き込む結果になってしまったのかもしれません…」
「イインデスカ、ユキナサン…?」
「はいっ」
小岩井さんの言葉に、笑顔で頷く雪菜。
「だから舞白先輩、小岩井さんに罰を与えるのは許してもらえませんか?どうしてもというのなら、小岩井さんをこの場に立たせる切っ掛けを作った私も一緒に…」
「……できる訳ないでしょ、そんな事」
舞白の髪が、元のリードグレイに戻っていく。
「『時間』の猶予のある生者を処罰する事は、私には出来ないわ…そして小岩井さんも私の邪魔をする事はやめた…もう罰する理由は何もなくなったもの」
ただ都合が悪いのは。
(このまま雪菜ちゃんが私を負かしてくれれば、こんな人目に晒される試合から降りる事ができたのにね…)
舞白は密かに溜息をついた。
俯き加減に雪菜は言う。
「龍太郎君の代わりに勝ちたいとか、彼が傷ついた分も戦いたいとか…私は『龍太郎君の為』じゃなくて、『龍太郎君のせい』にして、強い自分を演じていたのかもしれない…そんないい加減な気持ちが、小岩井さんまで巻き込む結果になってしまったのかもしれません…」
「イインデスカ、ユキナサン…?」
「はいっ」
小岩井さんの言葉に、笑顔で頷く雪菜。
「だから舞白先輩、小岩井さんに罰を与えるのは許してもらえませんか?どうしてもというのなら、小岩井さんをこの場に立たせる切っ掛けを作った私も一緒に…」
「……できる訳ないでしょ、そんな事」
舞白の髪が、元のリードグレイに戻っていく。
「『時間』の猶予のある生者を処罰する事は、私には出来ないわ…そして小岩井さんも私の邪魔をする事はやめた…もう罰する理由は何もなくなったもの」
ただ都合が悪いのは。
(このまま雪菜ちゃんが私を負かしてくれれば、こんな人目に晒される試合から降りる事ができたのにね…)
舞白は密かに溜息をついた。