天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
上総介兼重を帯刀した藤原 宜虎。

四季・色彩銘刀・黄昏を帯刀した夕城 こはく。

藤原式一刀流と夕城流の流派代表戦でもある。

「それでは、これよりタイマントーナメント準決勝第一試合を行う!」

審判の龍娘の声で、会場は歓声に包まれた。

「亭主に奥方に…よくよく夕城流たぁ縁がある」

懐手に顎を撫でる宜虎。

「すーにあんな神妙な顔をさせる宜虎さん…一度刃を交えてみたいと思っていました」

穏やかな微笑みを湛えるこはく。

どちらも飄々としているが、その実、身に纏っているのは抜き身の真剣のような気配。

触れれば斬れるような雰囲気を漂わせている。

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