天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
ギシリ。

軋む刃に宜虎が、こはくが笑う。

「楽しいねぇ…そりゃあ体育教師がアンタを嫁に欲しがる訳だ」

「あら…家ではこんな荒っぽい事ばかりしてる訳ではないですよ?」

「でもたまにゃあ闘(や)るんだろ?殺し合いギリギリの立ち合いをよ」

「……僕は武家の娘ですから」

「……違うだろ」

鍔迫り合いに力が篭もる。

「『武家の娘』じゃなくて…『武人』だろっ!」

膂力に任せてこはくを突き飛ばす宜虎!

しかし、こはくはその押す力に逆らう事なく、寧ろその力を柔軟な体で受け流し、上方へと跳躍!

宜虎の頭上から。

「剣技…支子色(クチナシイロ)」

連続の刺突!

「くっ…」

受け太刀は不可能!

咄嗟に飛び退いた宜虎の元いた場所に、殺意の雨が降り注いだ!

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