天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
痛む肩を押さえつつ、兼重を支えに立ち上がる宜虎。

半身は流血で汚れている。

足元がふらつく。

「立つんですか…その傷で…」

こはくは驚愕する。

「藤原のお家は…どういう稽古を積んでいるんですか…」

「稽古がどうこうっつぅか…そうだな…」

呼吸を乱したまま、宜虎はチラリと客席の方を見た。

「月姫の前で…無様な兄貴は晒せねぇだろ…」

「っっっっ!」

月姫の瞳から、更に大粒の涙が溢れる。

「さぁ…待たせたな…続けようかい…」

傷を庇ったまま、片手で兼重を構える宜虎。

その切っ先が震える。

< 147 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop