天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
年若ながら、見事な侍ぶり。

成程、愛する亭主と引き分ける訳だ…。

宜虎に感服しつつも、こはくは黄昏を構える。

脇腹の傷から出血は止まっていない。

手当てを急がねば、大量の出血は意識さえ断ち切る。

しかし、どうして傷を恐れていられよう。

この若き侍は、誇りと矜持を以ってこはくに挑んでくる。

同等の誇りと矜持で立ち向かうのが礼儀というもの。

望むのならば、この場で斬り伏せてやるのが武人としての正しき姿。

夕城の妻としての務め。

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