天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
撃つ。

近づいてくる舞白の、眉間に、目に、心臓に喉に鳩尾に丹田に。

急所という急所に5.7ミリ弾を叩き込む。

それでも舞白は歩みを止めない。

「恐れる事はないわ、栗花落さん…死は強者にも弱者にも等しく訪れるもの…そこに苦痛や恐怖などはなく、ただ解放だけがあるの…」

「来るなっ、来るな来るなっ!」

トリガーを引いてはリロードし、またトリガーを引き。

苺愛は同じ動作を繰り返す。

撃っても、撃っても。

撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても撃っても!

舞白は倒れない。

まるで降り注ぐ雨の中、傘を差さずに歩いている程度の感覚で。

端正な顔立ちが二目と見れぬほどの無惨なものに変わり果てても尚。

「さぁ…栗花落さん」

地の底から這い出てきた亡者の如き形相となった舞白が、大鎌を振り上げる。

「貴女も、解放の至福へ…」

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