天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「いやぁぁああぁああぁぁあっ!」

「おいどうした栗花落!」

肩を掴まれ、揺さぶられ、苺愛はハッと我に返る。

……龍娘が彼女の肩を掴み、顔を覗き込んでいた。

「大丈夫か栗花落…試合は棄権するか?まだ開始前だから間に合うぞ…?」

「開始…前…?」

ヘナヘナとその場に蹲りながら、苺愛は目の前に立つ舞白を見上げた。

開始線に立ったままの舞白。

自分の太もものベルトに納めた六本のマガジンも、1発の弾丸も使用する事なく残っている。

無論、目の前の舞白も傷一つ負っていない。

「…………」

ボロボロと涙をこぼし、頭を抱えて俯く。

(幻…覚…)

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