天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「因幡…貴様…」
思い当たる節のあった龍娘が、舞白の顔を見る。
『校舎半壊事件』の際、龍娘も同じような幻覚を舞白に見せられた経験があった。
どこまでが現実で、どこからが幻覚だったのか。
今でも区別がつかないほどの精巧な『幻想の悪夢』。
我に返った事で、初めて自分が幻覚を見ていたと気づくような、まさに神がかった幻夢。
試合開始直前だというのに、苺愛が開始線に立ったまま魂の抜け殻のようになっていたのは舞白の仕業だったのだ。
「さあ、栗花落さん…もう大丈夫よ、悪夢は終わったわ…」
これではもう試合は不可能だろう。
そう思って蹲った苺愛に手を差し伸べた舞白は。
「!」
頬に5.7ミリ弾を掠められ、一筋の血を流した。
「来ないで…」
小さく苺愛が呟く。
「誰も傷つけたくない…怖い…来ないで…」
思い当たる節のあった龍娘が、舞白の顔を見る。
『校舎半壊事件』の際、龍娘も同じような幻覚を舞白に見せられた経験があった。
どこまでが現実で、どこからが幻覚だったのか。
今でも区別がつかないほどの精巧な『幻想の悪夢』。
我に返った事で、初めて自分が幻覚を見ていたと気づくような、まさに神がかった幻夢。
試合開始直前だというのに、苺愛が開始線に立ったまま魂の抜け殻のようになっていたのは舞白の仕業だったのだ。
「さあ、栗花落さん…もう大丈夫よ、悪夢は終わったわ…」
これではもう試合は不可能だろう。
そう思って蹲った苺愛に手を差し伸べた舞白は。
「!」
頬に5.7ミリ弾を掠められ、一筋の血を流した。
「来ないで…」
小さく苺愛が呟く。
「誰も傷つけたくない…怖い…来ないで…」