天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「何を恐れているのかしら、栗花落さん」

一歩踏み出す舞白に。

「来ないで!」

鋭い叫びと共にトリガーを引く苺愛!

放たれた弾丸は。

「!」

瞬時にして現れた舞白の大鎌によって遮られる。

「怖くないわ。貴女がその拳銃を下げてさえくれれば、私は一切危害を加えない」

「嘘…そうやって私を油断させて、その大きな鎌で斬るんでしょ…」

怯え切った眼差しで舞白を見上げる苺愛。

本当の彼女は、これ程までに繊細で壊れ易くて、庇護心を掻き立てるような少女だったのか。

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