天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
死神の前では、どんなに優れた射撃技術も無意味。

死神の鎌を突破できるものなど、存在しない。

その事を苺愛に見せ付けた上で。

「栗花落さん」

フワリと。

大鎌を捨てた舞白は苺愛を抱きしめた。

「ほら…怖くないわ…ここに貴女を傷つける人はいない…ここは貴女の生きてきた怖い場所とは違うの…拳銃なんか置いていいの」

「…………」

ポロポロと、苺愛の瞳から涙がこぼれる。

「本当…?…私…撃たなくていいの…?」

「ええ、本当よ…貴女はもう貴女の『時間』を生きていいのよ」

< 167 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop