天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「やりませんよ、そんな事」

こはくの心を読んだかのように。

舞白は緩々と首を横に振る。

「『幻覚』は相手の深層心理に影響を及ぼしますが、決して精神を崩壊させる為のものではありませんから…意識を飛ばして肉体を休息させたり、しがらみに拘束された精神を解放する為の手段に過ぎません…こはくさんの拘束された精神を解放するのは…」

チラリと客席を見る舞白。

「私ではないでしょうから」

「……感謝しますね、舞白さん。僕は魔術幻術といった類には疎い、只の武人…純粋に武を以って戦うしかできませんから…死神相手と聞いて困惑していたんです」

微笑むこはくに。

「私を魑魅魍魎と勘違いしてはいませんか?」

舞白は少し苦笑い。

「確かに汚れ仕事は引き受けていますが、私もまた末席とはいえ『神』ですよ」

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