天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
そんな予期せぬエントリーに面食らっている生徒が、ここにも一人。

学食の一角。

晩秋にしても強烈過ぎる寒さが、渦を巻いていた。

というか室内なのに吹雪とはどういう事か。

その吹雪の中を。

「私がタイマントーナメントに出場だなんて…弱いのに喧嘩…ぐふへへふひあふへげへへへへへ…」

混乱と驚愕のあまり、昔の笑い方に戻ってしまっているのは佐伯 雪菜(さえき ゆきな)。

自慢の美しいアイスブルーの真っ直ぐな肩までの髪と瞳は、今では氷妖としての存在感を醸し出す要素にしか見えない。

今回は保健委員のお手伝いをするつもりでいたのだが、母が学園長を通して出場手続きをしてしまったのだ。

「母上の馬鹿!余計な事して下さらなくてもいいのに!家であは~んとか言って下さっていれば良かったのに!」

サプライズ過ぎて瞳からカキ氷の涙を流す雪菜である。

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