天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
その横では龍太郎が舞白と対峙している。

ある意味一番のジョーカーと当たってしまった形だ。

「噂は聞いてるぜ、舞白…龍娘先生にも勝ったんだって?」

「あら、よく知ってるのね…でも勝った訳じゃないわ…ちょっと休憩してもらっただけよ」

僅かに瞳を細めた程度の笑みを浮かべる舞白。

その微笑に戦慄さえ感じさせる。

これが天神学園の高レベルの者の持つ気配。

まだヒエラルギーの底辺を行ったり来たりしている龍太郎では、とても辿り着く事のできないオーラを身に纏っている。

「……」

そんな龍太郎を気にも留めず、舞白は懐中時計に目をやる。

「あら…あの子とあの子、危ないわね…脱落するのはあの二人と…」

そこで舞白の視線が龍太郎に向いた。

「丹下君、貴方かしらね…」

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