天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「あ、ごめんなさい…ちょっと深く踏み込みすぎたかも…」

戸惑いの色を見せる舞白。

(踏み込みすぎたかも…だと?)

龍太郎は歯を食いしばり、痛みを堪えるのが精一杯だ。

出血量が尋常ではない。

何だあの鎌。

体育教師に腹を斬られた時ですら、ここまで血は噴かなかった。

あの銘刀・川蝉ですら…!

「待ってて」

舞白はもう一度、鎌で弧を描く。

「もう一撃加えてリタイアさせてあげる…大丈夫、保健委員長君の治癒の力なら、すぐ出血は止まるわ」

そう言って鎌を振り上げた舞白の前で。

「!…くそっ!」

龍太郎は走り出す!

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