天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
確かに虚を突かれた。

しかしかわせない事はない。

素早く体勢を立て直し、黄昏で手裏剣を弾く。

だが。

「二度三度の状況の変化には多少の遅れが出るもの」

直後、いつの間にかこはくの隣に出現した茜の横っ飛びの蹴りが、彼女の脇腹を蹴り上げる!

「っっ!」

悲鳴は上げない。

が、確かにこはくの表情が苦痛に歪んだ。

吹っ飛ばされつつもダウンはせず、片膝をついた姿勢でリングの床を滑るこはく。

「……」

腕組みをし、直立不動。

茜は加撃せぬまま、こはくを赤い瞳で見据えていた。

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