天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
声から位置を特定する。

それも考えたが、茜とてそのくらいは読んでいる。

移動しつつ、こはくに語りかける。

「心配せずとも煙幕は毒の類ではない。吸い込んでも大事には至らぬよ」

「そうですね…茜さんはそういった戦術は取らないタイプと見ました」

「高評価で有り難い事だ」

言った直後。

「つっ!」

手裏剣がこはくの頬を掠める。

「見えぬ位置からの攻撃、卑怯で申し訳ない…だが…」

茜の声が冷徹さを帯びる。

「闇に乗じ、悟られぬよう忍び寄り、首をとる…それもまた忍の業…悪く思うなよ…?」

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