天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「ば、馬鹿な…」

赤い瞳が見開かれる。

「姿は見えぬ…声は聞こえぬ…気配も読めぬ…奥方…どうやって俺を…」

「煙です」

血に濡れた顔でこはくは微笑む。

「どんなに無風とはいえ、『動き』があれば煙は流れるもの…洗練された流れるような茜さんの動きでも、煙を流す事なくは動けません…煙の流れを見れば、貴方がトドメを刺しに来る瞬間は読めました」

「く…」

ガクリと膝をつく茜。

「忍が忍具に足元を掬われたか…不覚…」

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