天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「いえ…」

艶やかな笑みと共に、こはくは茜に手を差し伸べる。

「紙一重の勝利でした。さ…救護テントまで肩を貸します…保険医の先生に胸の治療をして頂きましょう」

「……」

こはくに手を借りつつ、茜は立ち上がりながら考える。

この強さにしてこの慈愛。

成程、鬼の体育教師が篭絡される訳だ…。

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