天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
こはくは、一説によるとあの体育教師を負かした事をはじめとして、十代後半に入ってから無敗記録を持続中という話もある。

これは恐ろしい相手が参戦してきたものだ。

「しかしこはく、お前は現在天神学園の部外者だろう?タイマントーナメントは部外者の参加は…」

「ううん、龍娘先生、僕も時期は未定だけど、天神学園高等部臨時教員に復帰する予定なんです。影の理事長にも了承済みですし」

ならば文句はつけられない。

親友の強さは知っているが、こんな野蛮なイベントに参加するとなると、複雑な心境の龍娘である。

そんなやり取りの背後で。

「へぇ…アンタがあの鬼の奥方かい…」

下駄の音を鳴らして、着流し姿の男子生徒が声をかけた。

藤原 宜虎(ふじわら たかとら)。

生徒会長スキャンダル事件の際に、体育教師と一戦交えて引き分けに持ち込んだ事で、その名はこはくの耳にも入っている。

因縁浅からぬ間柄だ。

< 6 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop