天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「兄上!」

藤原翁に代わり、月姫が宜虎にすがりつく。

「私も勝敗はどちらでもいいです、ただ、先日の体育教師との仕合の時のような怪我だけは…いえっ、怪我しても私が献身的な看護添い寝夜伽までうふうはうひひひひ…」

気持ち悪い笑い方するな。

「ったく、武じぃも月姫も…」

苦笑いしながら、宜虎は月姫の頭をクシャッと撫でる。

「心配すんな、おめぇが悲しむような大怪我なんざしねぇ。そんでもって…」

下駄のまま、宜虎はリングの床を踏みしめた。

「キッチリ勝ちを拾って帰ってくらぁな…」

< 62 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop