天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「ちくしょうっ!」

完全に意表を突かれた。

正面きっての激突と見せかけて、空中からの刺突に切り替えるとは。

いわばフェイント。

迎撃する余裕などなく、宜虎は回避するのが精一杯。

轟音と共に直撃した鬼屍・贄は、リング中央に陥没した跡を刻み込み。

「ってぇ…」

間一髪回避したものの、刃の掠めた宜虎の胸には二本の刀傷。

着流しは裂け、片肌脱ぎのようになっていた。

「……大した反射神経だ…」

死屍の切っ先にこびり付いた宜虎の血脂を拭い、骸南は抑揚なく言った。

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