天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
そんな客席の声などお構い無しに、またも鬼屍で突進してくる骸南!

「新撰組の隊士は退く事を知らねぇ勇猛果敢だったってぇ話だが…」

咄嗟に身を翻すものの、今度は刃が宜虎の左腕を掠める!

「つっ…猪突猛進たぁこの事だぜ…!」

「……」

回避されたと見るや、すぐさま方向転換し、宜虎目掛けてその白虎の牙を剥く骸南。

手がつけられない。

宜虎は防戦一方だ。

「分が悪ィな宜虎の奴」

呟く龍太郎の胸を。

「黙れっ!」

木刀で小突く月姫。

苦悶の表情で痙攣する龍太郎。

怪我人を労わるという思想はこの学園にはないのか。

「兄上はただ逃げ回ってるんじゃないわ…きっと反撃の機を窺っているのよっ」

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