天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
「うぐっ…くっ…!」

這い蹲り、歯噛みし。

それでも痛みで立ち上がれない。

リングの床を掻き毟るようにして、何とか立ち上がろうとする骸南。

そんな彼女に。

「止しな」

宜虎は兼重の切っ先を突きつける。

「おめぇさん流に言やあ、倒れた状態で切っ先まで向けられてんだ…生殺与奪は俺っちにある…勝負有りなんじゃねぇか?」

「くっ!」

憎々しげに宜虎を見上げる骸南。

「殺せ!」

彼女は吠えるように言う。

まさしく人間に飼い慣らされる事を良しとしない、誇り高き野生の白虎。

しかし。

< 78 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop