天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
試合開始。

と同時に。

「…………」

両者は一定の距離を置いたまま、動きを止める。

それまでの二試合とは違い、動きがない。

しかし。

「何てぇ緊迫感だ…」

客席の龍太郎が息を呑む。

見る者が見れば分かる。

苺愛とストロマ、二人は既に『戦っていた』。

若干腰を落とし、両手を開いたまま、相手を見据える。

「早撃ちの構えだな」

しまじろうが呟く。

「まさかこんな試合で、こんな西部劇の決闘みたいな場面が見れるなんて…」

ロシア娘も表情を強張らせる。

苺愛とストロマ。

拳銃と試験管。

果たして先に火を噴くのはどちらか…。

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