Are you ready ?
『いぶ、なんか勘違いしてない?』
「えっ…?」
勘違い?
気分が浮ついていると、ちょっと不機嫌になっている壱くんに、引き寄せられた。
壱くんの体温がじかに伝わってくる。
『…俺は皆のために出るんじゃないから。』
「え――」
『いぶ、君のためだよ?』
「っ・・・!?」
いつもみたいに、耳元で艶やかに囁かれた。
でも、私はいつだってそれに慣れない。
今も、心臓はこれ見よがしに高鳴り、何も言えずに顔を赤らめるしかない。
『いぶのためにクラスマッチも出るし、出るのなら優勝してみせる。』
「っ…壱くんの自信家。」
どこからそんな自信がくるのだろうか。
私には、絶対に皆の足を引っ張る自信しかないというのに。