Are you ready ?



『いぶ、なんか勘違いしてない?』

「えっ…?」


勘違い?

気分が浮ついていると、ちょっと不機嫌になっている壱くんに、引き寄せられた。

壱くんの体温がじかに伝わってくる。


『…俺は皆のために出るんじゃないから。』

「え――」

『いぶ、君のためだよ?』

「っ・・・!?」


いつもみたいに、耳元で艶やかに囁かれた。

でも、私はいつだってそれに慣れない。

今も、心臓はこれ見よがしに高鳴り、何も言えずに顔を赤らめるしかない。


『いぶのためにクラスマッチも出るし、出るのなら優勝してみせる。』

「っ…壱くんの自信家。」


どこからそんな自信がくるのだろうか。

私には、絶対に皆の足を引っ張る自信しかないというのに。





< 100 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop