Are you ready ?
『クス…いぶ可愛い。』
「っ…!?」
私の悪口さえも、壱くんにはダメージを与えないらしい。
今も、甘い笑顔で私の髪をいじっている。
『いぶは何に出るの?』
「え、ぁ…クラスマッチ?」
『うん。』
「・・・ハンドボール…だよ。」
苦手なハンドボール。
いや、スポーツはどれも苦手なんだけど。
やっぱり、私こそクラスマッチには出ない方が良いと思えてしまう。
『そっか。じゃぁ、応援に――』
「来ないでっ!」
『――っ!?』
「あ…その、」
つい、大声を出して拒否してしまった。
応援なんて欲しくないの。
私は…足を引っ張るだけだから。
あんな醜い姿、壱くんには見せたくない。