Are you ready ?
『壱、お前ー…!!』
『何だよ、野獣。最近ウザい。』
「・・・。」
ズンズンと怒りを露わにしてやってくる野獣さんをウザいと悠々と言ってのける壱くんって本当にすごいと思う。
……ある意味で。
それにしても、野獣さんをこんなにも怒らせるなんて。
壱くん、今度は何をしたの?
『お前なぁっ!いい加減練習しろや!』
『…あ?』
「え…?」
れ、練習…?ですか?
それって、クラスマッチの?
『バスケはスタンドプレーじゃねぇンだよ!チームプレー!!メンバーのお前が来ねぇで、どうやって試合に臨むっつーんだよ!!』
こ、怖い…。
さすが、美鈴ちゃんとの約束がかかっているだけあって、野獣さんのやる気は並並ではないみたい。
『…はぁ、それで練習して、皆が俺についてこれるわけ?』
『フンッ、そのために選抜済みだ。それに、俺もいるしな。…だから来いよ。』
最後の言葉に、ものすごく威圧の念が入っていたのは私の気のせい?
でもやっぱり、壱くんは――…
『パス。俺行かない。』
そんな野獣さんの圧力も圧力ではないらしい。